* この投稿は米国時間 12 月 6 日、Google Cloud Platform Team によって投稿されたもの(投稿はこちら)の抄訳です。

この 10 年余り、Google はクラウドコンピューティングの進化を支援してきました。その間にはさまざまな変化がありましたが、この一年間も例外ではありません。コンテナの幅広い採用からマルチクラウド アプリケーションまで、2015 年はまさに転換の年となりました。

本日は、今年の重要な節目とテーマについてお届けします。お読みになった後は、G+ や Twitter で「#CloudTop10」を利用して、ぜひ皆さんの事例や傾向についてお知らせください。


1. 企業によるクラウドの導入

大半の組織にとっての問題は、もはやクラウドを「導入するかどうか」ではなく「いつ導入するか」となっています。

新しい見通しとしては、皆さんの想像より導入が早く進むことになりそうです。

実際、今後 2 年以内に 60% を上回るアプリケーションをクラウド プラットフォームでホストすると計画している企業は、 34% にのぼります。

これに期待を寄せ、ほとんどのベンダーは企業のワークロードをサポートするための対策をすでに講じています。Microsoft Azure と HP とのパートナーシップや Google のカスタム マシン タイプがよい例です。


2. コンテナが一気に主流へ

ほんの1 年前には、コンテナを知らない開発者が大勢いました。2015 年を振り返ってみると、コンテナはテストだけでなく、実際の運用環境で広く採用されるようになっています。

最近の調査によると、2015 年のコンテナの採用が実際に 5 倍も拡大しています。なぜこれほど早く採用が進んだのでしょうか。

理由の 1 つは、Docker や Kubernetes プロジェクトなど、堅牢なオープンソースの技術が利用できたことです。ベンダーはこうした技術を活用することで、VMware の vSphere統合、Microsoft の Windows 版 Docker クライアント、Google の Container Engine といったコンテナの採用を加速化させました。


3. ビッグデータに必要なのは多くの情報

2015 年、ビッグデータに関する騒動は期待外れに終わりました。5 月に実施された調査によると、組織の 77% がビッグデータや分析の導入が期待通りには進んでいない、または期待外れに終わったと考えています。

調査結果は明らかなものの、その原因は複雑です。サイロ化されたチーム、高度なメンテナンス装備、強化されたツールの必要性は明らかな問題の一部です。どうすればこれを解決できるでしょうか。一般のデータ サイエンティストがツールやデータをもっと利用できるようにすることで、おそらく解決に繋がるはずです。彼らの豊富な専門知識によって、ビッグデータの真価が発揮されるようになるはずです。


4. すべてに対応する機械学習

このところ、機械学習の可能性が認められてきています。コンピューターやデータセンターの処理能力が向上しているほか、膨大なデータセットを生み出すようなインターネットが幅広く採用されていることで、可能性がついに具体化されています。この進化に拍車をかけるため、TensorFlow などのソフトウェア ライブラリのオープンソース化も進んでいます。これにより、調査報告書だけでなく作業コードからも、アイデアや情報をいち早く交換できるようになります。


5. IOT(モノのインターネット)の今後

IOT と聞くと、多くの人が消費者の行動を想起します。例えば、サーモスタットを時計やテレビなどを想像してしまいます。ところが意外なことに、IOT を最も採用しているのは企業になります。

2019 年までに、233 億台の接続デバイスのうちの 91 億台を、エンタープライズ市場が占めるようになると予測されています。つまり、ストリーム ベースのデータ処理のスケールが、あらゆるIT 戦略の大きな要素になるということです。その結果、Google の Cloud DataflowApache Spark といった技術に対する関心が急激に高まるでしょう。


6. 企業が成長する中でのAPI

現在、TwilioOkta などのユニコーン企業の存在からもわかるように、オンデマンドのアプリケーション サービスを開発者に提供するビジネスモデルは、有効性が証明されています。10 億ドルの評価額で 2015 年のラウンドを終了したこの2 社は、開発者がアプリケーションに組み込めるサービスを提供しています。


7. ハイブリッド クラウドの出現

マルチクラウド アーキテクチャは決して新しいものではなく、バックアップやディザスタリカバリのソリューションとして、何年も利用されています。では、何が新しいかと言うと、Kubernetes や Netflix の Spinnaker など、マルチクラウドのオーケストレーション ツールが広く導入されるようになったことです。

こうした選択がベンダー ロックインの回避に役立ちます。また、2017 年までには企業の 50% がハイブリッド クラウドを導入しているという予測もあり、この傾向は加速する一方でしょう。


8. 移行と終了

Google Cloud Platform が進化する中、市場ではますます統合が進んでいます。その理由の 1 つが、クラウドのハードウェアとエンジニアリングに対する莫大な需要です。

その中、Rackspace が自社のクラウド サービスの提供から、サードパーティのクラウド インフラストラクチャのサポートに切り替える計画を発表しました。また、HP が 1 月に Helion Public Cloud を正式に終了するというニュースもあり、この傾向は2016年も続くことでしょう。


9. 環境への配慮

お客様からは環境に優しいクラウドを求める声が挙がっています。環境効率を実現できる規模ではない現地のデータセンターで、地域全体をカバーできる大規模なデータセンターの環境効率を達成する方法が議論の対象になっています。


10. 皆様の事例

上記のリストに追加すべきクラウドの事例や傾向を、ハッシュタグ「#CloudTop10」を利用して G+ や Twitter にぜひ投稿してください。


すべての投稿の中から選択した事例を、投稿いただいた方のお名前とともにブログでご紹介いたします。